「『園長のひとりごと』に書く内容はいつ考えているんですか?」先日保護者のKさんから聞かれました。いつも読んでもらっているとのことで、まずそのことに恐縮してしまいました。配布しているわけなので、読んでもらうためのものであるのは間違いないのですが、実際にそのように声をかけられると「こんな文章ですみません」と慌ててしまいます。あさり保育園がどんな思いで保育を行っているか、そのことを言葉にしてできる限り深く知ってもらいたい。そんな思いで2007年7月から書き始めてもう少しで10年になるのですが、未だにそんな感じです。
ここに書く内容は、あさり保育園で起きたことだけでなく、参考にさせてもらっている考え方を紹介したりしています。それは保育に関することだけではありません。保育者は常に視野を広く保っておく必要があると考えているので、様々な分野で活躍されている方々の考えに触れるようにしていて、「あっ、この考えは保育に通じるところがある」と思ったら、そこから書く内容を考え始めたりします。常に子どもたちの興味深い様子や参考になる文章を探しているので、「いつでもどこでも書く内容を考えています」というのがKさんの質問に対する答えになります。
最近よく参考にさせてもらっているのは哲学者の鷲田清一さん。その鷲田さんがこんなことを書かれていました。『身体は自分そのものなのに、その大半は見えない。だからつねに不安を醸す。入浴が快いのも、子どもが狭苦しい空間を好むのも、それによって自分の輪郭と容量がくっきりしてくるから。』子どもは狭いところが好きで、楽しそうに遊んでいる姿はよく見られます。なのであさり保育園では敢えて狭い空間を用意したりしているのですが、そこで子どもたちは自分の身体を感じているという見方もできるんですね。布団に入ると心地いいのも同じ理屈なのかもしれません。
自分を感じる、認識することは、おそらく安心感につながることで、その安心感があるからこそ新しいことに挑戦して成長していくのが子どもたちです。これは保育園にも当てはまるじゃないかというのが私の考えです。身近な地域との関わりを持つことで保育園の持っているものが分かり、役割が明確になり、何をすべきかが見えてくる。そしてそこを出発点にすることでまだまだ成長していける、そんなことを考えています。H29年度のテーマは「地域」です。地域と園のあり方を模索する中で役割を明確にし、『認定こども園あさりこども園』をより良いものにしていきたいと思います。明日から新年度です。いろいろな変化を前向きに受け止めて進んでいきます。
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