2017年3月24日

No.487 活動の範囲を広げていくこと

ずいぶん前のことですが、子どもたちの「事務室デビュー」について書いたことがあります。事務室デビューとは、私が勝手に名前をつけて1人で楽しんでいるものなのですが、移行が始まる頃、つまり1月あたりからぱんだ組の子が事務室をのぞきに来て、とても嬉しそうな表情で中にいる職員に向けて大きな声で話しかける、そんな行動のことをいいます。それまでは2歳児の部屋が主な生活スペースだったのが、今度は広いスペースで生活することになり、その近くにある事務室をよくのぞきに来るようになるだけのことなんですが、毎年見られる光景で、しかも新しい生活に慣れて環境に夢中になり始めるとその行動はあまり見られなくなるのがおもしろいところです。

子どもたちは成長していくにつれて活動の範囲を広げていきます。移行等で生活スペースが変わることや興味の対象が広がることがきっかけだったり、安心できる拠点を持つことで探索できる範囲を広げていくといったこともあります。このような姿は毎年同じように見ることができ、そのことでも成長を感じて嬉しくなります。その事務室デビューに似た行動で「玄関先デビュー」というものもあります(これも勝手に名付けているだけのものです)。玄関先デビューはうさぎ組の子の行動で、あちこち歩き回るようになると、それまでは保育士と一緒に玄関先に来ていたのが、段々子どもたちだけで集まるようになり、ただ集まっていただけだったのがその場で遊び始めたりする行動のことです。この姿は事務室デビューが見られる時期よりも少し早いので、玄関先デビューの様子を楽しみ、その後事務室デビューを楽しむというのが毎年の流れです。



先日も玄関先に遊びに来ているうさぎ組の子の姿がありました。その時はちょっとその場を散らかしてしまっていたので一緒に片付けをすることになったのですが、そうしたことも大事な学びの機会です。それぞれの場所にそれぞれのルールがあることを体験を通して学んでくれればいいと考えているので、「あ〜、やってしまったか〜」とは思いますが、そうした行動に対しても丁寧に関わっていきたいと思っています。

成長に伴って活動の範囲が広くなることは、新しいことと数多く出会うことでもあります。そこでは失敗することもあるでしょうが、そんなことを積み重ねて多くのことを学んでいくものです。新しい世界に向けて進んでいこうとしている子どもをしっかりと支える保育園であり続けたい、改めてそんなことを思いました。明日は卒園式です。

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