2017年3月17日

No.486 楽しい未来を想像する

来週の土曜日は卒園式。早いもので、ぞう組さんのあさり保育園での生活はあと少しとなりました。卒園式の流れを確認するための練習も始まり、いよいよかぁという思いが強くなってきています。こうした行事が区切りとなって、ぞう組さんは小学校へ向けての期待が高まり、ぞう組以外の子は次の新しい生活への期待が高まります。全ての子どもたちにとっていい区切りの行事となるよう、卒園式が近づく雰囲気を感じながら日々の生活を送ってほしいと思っています。

卒園式の中で、卒園児が将来の夢を発表する場があります。その発表を聞かせてもらったのですが、夢を語る子どもの姿はやっぱりいいですね。自分がなりたいものを思い浮かべ、それを言葉にしている様子を見ているだけで、がんばってほしいなあと素直にそう思います。思い通りにならないこともあるかもしれないし、苦しい思いをすることもあるかもしれません。そうだとしても、やっぱり子どもたちには希望を抱き続けてほしいと思います。

『絶望するのと同じ能力、その未来を想像するという能力があるから、人間は希望をもてる。』というのは、霊長類学者の松沢哲郎氏の言葉です。松沢さん曰く、チンパンジーは常に「今」の世界を生きているので先を想像して「どうなっていくんだろう」と心配し絶望したりすることはないそうです。それに対して人間は絶望することもあるけれど、そんな時でも未来を想像する力を発揮して希望を持って乗り越えることができるというわけです。絶望も希望も同じ力から生まれてくるというのはおもしろいですね。だとすれば、子どもたちとは希望を抱ける話を、物事の楽しさについての話をたくさんするべきだと思います。今後出会うであろう困難を話し、その困難に備えることを教えるよりも、まずは「こんなことをしてみたいね」「こうなったら楽しいだろうね」と楽しさを共有できるような話をたくさんして、楽しい未来を想像する力をとことん育んでいく方がよさそうです。

私たちが子どもたちに望むことは、生活の質を高めることでより楽しめるように、困難な状況でも希望を持ってしなやかに対応できるように、自分と反対の意見も認めて多様さを受け入れる強さを持てるように、そんな力や感性をより末永く持続させていけるように、といったことです。ちょっと欲張りすぎかもしれませんが、子どもたちの今後に対しては目一杯希望を持っていたいと思っています。そうやって希望を持つことで、子育てや保育がより楽しいものになっていくんでしょうね。

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