2012年4月20日

No.241 子どもの好奇心の話

みなさんの大好きな絵本、思い出に残っている絵本は何ですか?私の大好きで思い出に残っている絵本は「ひとまねこざる」です。この絵本、今では「おさるのジョージ」シリーズとしてたくさんの作品が出ています。この「ひとまねこざる」を知っている人は多いと思いますが、とても知りたがりやで人まねが大好きなおさるのジョージの話です。レストランに行けば大きなお鍋いっぱいのスパゲッティを体中に巻きつけてしまうし、窓のガラス拭きに雇われても覗いた部屋のペンキ屋さんの真似をして、勝手に部屋中に絵を描きジャングルにしてしまい大騒動になるし、といった内容です。この本は今見てもワクワクしてしまうんですよね。子どもなら誰でもしてみたいと思うことを全てやってしまうジョージの行動を、同じようにワクワクしながら見ていた人は多いはずです。周りの大人から見ると迷惑ないたずらにしか見えませんが、本人にしてみたらとても一生懸命な本気の活動というところが、まるで子どもたちを見ているような気持ちになります。

この本の原題は「Curious George(好奇心の強いジョージ)」といって、見るモノ全てに好奇心を抱いて知りたがり、そしてやってみずにはいられないジョージの姿が全てのシリーズで描かれています。このジョージは大人から見ると困ったいたずらをしていることになるわけですが、本人はいつも楽しそうで失敗してもすぐにニコニコになります。そして失敗に懲りることなく、またいろいろなことに興味をもって挑戦しいきます。これはまさに子どもの姿ですよね。

この好奇心は私たち人類にとって大事な特性であることが分かってきています。子どもたちの好奇心によるイタズラを考えてみると、まずそのものを「観察」し、そのもとになる「原因」を考え、そして「試して」みる、これが子どものイタズラです。で、このイタズラは「創造」することへつながっていきます。好奇心が新しい道具を生み、環境に適応しながら自分たちの文化を創りあげてきました。そんな物事の始まりでもある、大事な好奇心をもった子どもたちの姿を、私たち大人は困ったこととして受け止めるのではなく、人類にとっても大事なことを学んでいる時期だと受け止める必要があると思うんですよね。子どもを理解するためにも、このジョージの絵本はオススメですよ。


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