『もし、幼いときに、自然のなかで自由に遊ぶ自分を見守り、その遊びを丸ごと暖かく受けとめてくれるおとながいるという経験からすべてがスタートし、いつもそうした機会が与えられたら、その子はどのような育ちをするか想像してみてください。自然のなかで発見すること、行なうことをともに驚きや喜びをもって共感してくれるおとながいて、自分をこよなく愛する態度で接してくれていたら、その子にとって自然はどんなにかすばらしい世界となることでしょう。自然はそれ自体、人の力などはるかに及ばないすばらしいものですが、それを輝かせるか色あせさせたものにするのかは、そこに仲介者として関わる人間の感性によるのです。子どもを、このすばらしい自然の世界にいざなう良き案内人になるかならないかは、おとな自身のなかにあります。幼児の自然体験の鍵は、ここが出発点、基礎の基礎といえるでしょう。』
この文章は28日(土)に行われる保護者講演会の講師である内田幸一先生の言葉です。今回内田先生をお招きしようと考えた理由の1つには、昨年度からスタートした“もくもくの日”の持つ意味について、保護者のみなさんと一緒に考えてみたいという思いがあります。でも、考えたいのはもくもくの日のことだけではありません。もくもくの日はあくまでも保育の1つの方法であり、そのことを考えるということは日々の保育や関わり方を考えることでもあります。
例えば上の文章に「発見すること、行うことをともに驚きや喜びをもって共感してくれるおとながいて…」とありますが、これは「共視」という行動でもあると捉えています。子どもは情緒が安定していなければ自分から積極的に新しい環境へと働きかけていく行動を起こしません。その情緒の安定のためには、子どもと見つめ合って「ちゃんと見ているよ」というメッセージを伝えることはもちろん大事ですが、横に並んで、もしくは少し離れたところから「あなたが興味を持っているものを私も興味を持って見ているよ」というメッセージを伝えることも大事なんです。このことを「共同注視(ジョイントアテンション)」つまり「共視」というのですが、同じものを見ている人がいるという安心感が新しい世界への挑戦の意欲になっていくんでしょうね。この「共視」は子どもの育ちを考える上でとても重要なことで、最近は特に注目されてきています。土曜日の講演会は自然体験の話が中心になるとは思いますが、そこから子どもの活動を大人がどう見るかということを考えてみるのもいいかもしれませんね。
明日は女房と一緒に伺いますね。
返信削除何よりも、今度は私一人ではなく女房と一緒に参加できるということが、ささやかにうれしいです。
(これから広がっていく何かの可能性として)
お二人で来ていただけること、こちらもなんだかうれしいです。
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