全国私立保育園連盟の冊子にこんな文章が掲載されていました。乳幼児期の子どもに向き合うとき、とても大切な考え方だと思うので、ここでも紹介します。
久保健太氏
全私保連 保育・子育て総合研究機構研究企画委員会 社会化プロジェクトチーム
東京・篠原学園専門学校こども保育学科教員
シリーズ 乳幼児期の教育を考える 第2回
「失敗」を「自信の根」に
子どもを「自信型」に育てるためにも、子どもの失敗や葛藤を「見守る」ことは大切だと思っています。
そして、子どもの一番そばにいる人たちが、つまり、保護者や保育者が、子どもの失敗や葛藤を「見守る」ことができるように、周囲の大人たちが、失敗や葛藤を「見守る」ことの大切さをわかり合うことが大事だと思っています。
「自信型」とは、ヤクルト、阪神、楽天などの監督を歴任した野村克也さんの言葉です。プロ野球の世界で、選手として、監督として、じつに50年以上活躍された野村監督は、「仕事」について、次のようにおっしゃっています。
「仕事をするとき」というものは、たいてい、
自信と不安が交錯します。
自分を、自信型に仕向けてゆくのも、
「仕事をする」うえで、一つの方法ではありますまいか。
野村克也・著『敵は我にあり』(サンケイ出版)
自信と不安が交錯した時、自信が不安を上回り、「やればできるだろうから、やる」と考えるのが、自信型の人間です。逆に、不安が自信を上回り、「やってもできないだろうから、やらない」と考えるのが、不安型の人間です。
今、私たちの目の前にいる子どもたちも、いつか大人になり、仕事を始めます。勝負どころで、不安が膨らむ時もあるでしょう。野村監督のおっしゃるように、仕事をする時には、たいてい、自信と不安が交錯します。その時、どこからか自信が湧いてきて、不安を上回る。不安が一掃されることはないかもしれないが、不安を抱えながら、何とか一歩踏み出す。
目の前にいる子どもたちを、そんな自信型の人間へと、育ててゆくためにも、失敗や葛藤を「見守る」ことが大事だと思っています。
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