2012年12月7日

No.273  子育て支援センターでの話 その1

先日子育て支援センターのイベントで少しだけお話をさせてもらいました。全くうまく話せず、聞いている人に申し訳ないような内容だったのですが、そのときに伝えたかったことだけはここに書くことで整理しておこうと思います。

子どもが小さいうちは家庭で育てるべき」「早くから保育園に預けるのは子どもがかわいそう」そんなことを今でも耳にすることがあります。言わんとすることはわかるのですが、少し視点を変えてみる必要もあるんじゃないかと思っています。私たちは子どもたちに社会の中で生きていくために必要な力を確実につけていってほしいと思っています。もちろんみなさんも同じ思いでしょうし、地域の人をはじめ、子どもを取り巻く様々な人も同じだと思います。だからこそ、そのために必要な環境を子どものために用意することが、社会にとっても大切なことのはずです。

社会の中で生きていくということは、いろんな人と関わりながら自分と他人の違いを認め合って、自分の持ち味を生かして助け合って生きていくことです。他人が喜んでいるとか、悲しい思いをしているとか、そんな他者の思いに共感することも大切です。それらは学校で勉強して学んだりするようなことではありません。全て関わりの体験から学んでいくことです。ではそのための環境は?

例えば「子どもが小さいうちは家庭で…」というときの家庭は、今も昔も変わらないでしょうか?昔の家庭は兄弟もたくさんいたし、さらに地域とのつながりも強く、地域の子どもたちや大人ともいろんな形でつながっていました。でも、今の家庭は、場合によっては日中は母親だけということも珍しくはありません。家庭で過ごすというのは単に“家で”とか“親と”ということではなく、様々な人との関わりのある中で過ごすという意味だったはずです。いろんな年齢の子どもと関わる体験とか、地域の人が共に協力しながら生活している様子に触れることとか、そんな場での体験が子どもには必要なんじゃないか、私はその視点も必要だと思っています。そして、赤ちゃんは生まれた時から他者と関わろうとする力を持っていることが分かってきた今、「早くから保育園に預けるのは…」というのも、今こそ「様々な子ども集団の中での体験も大事」という見方に変えていく必要があると思います。

というところまで書いたらいっぱいになってしまったので、続きは次回に書かせてもらいます。

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