2012年12月13日

No.274  子育て支援センターでの話 その2

先週は、「子どもが小さいうちは家庭で育てるべき」「早くから保育園に預けるのは子どもがかわいそう」という考えも、少し視点を変えて考える必要があるんじゃないか、という内容のことを書きました。今の時代だからこそ「様々な子ども集団の中での体験も大事」という考えに変えていく必要もあるんじゃないかという話です。そこからつなげていきますが、私が思っているのは、様々な年齢の子ども集団がある保育園の機能をしっかりと活用してほしいということです。

子ども集団で体験できることは本当に様々です。例えば一緒に遊んだりするときは自分と近い発達の子を選んで遊んだり、新しいことに挑戦しようと思うと、真似をして学ぶために少し上の発達の子を見るということをします。そして、いろんなことを教えてもらうためにずっと上の発達の子と関わったりします。様々な発達段階の子が周りにいて、必要に応じて相手を変えながら関わっていくことが大事だというわけです。こうした関わりの中で下の子は上の子から刺激を受け、上の子は下の子に教えてあげることで自分の能力を定着させ、お手本となることで自信をつけていきます。

ではこのような体験のできる保育園に子どもを送り出してあげればそれでいいかというと、決してそんな単純な話ではなくて、やはり親子の関係は大事になってきます。いろんな子と関わる環境の中で、意欲的に活動し、そして自分の世界をどんどん広げていこうとすると、どこかに安心できる拠点が必要だと思います。もちろんそれが友だちであったり保育者であったりもするわけですが、やはり一番は親の存在だと思います。友だちとのやり取りの中で葛藤を感じることもあります。不安になるときもあると思います。でも、そんなときはその気持ちをちゃんと分かってくれて受け止めてくれる親の存在があるからこそ、子どもたちは学びを深めていけるんだと思います。

子どもが求めたとき、子どもが困ったとき、子どもが負の状態に陥ったとき、いつでも助けてあげるよというメッセージを子どもに伝えてあげていると、その思いはちゃんと子どもに届くと思っています。そんな親子の関係から、子ども同士の関係へつながり、そしてもっと広い社会のいろんな人との関係につながっていく。そんなつながりを思い浮かべているとうれしくなってきます。

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