2012年12月27日

No.276  2012年の終わりに

今年も事務室の前に火鉢が登場しています。我が家の話ですが、子どもの頃は冬になるとこの火鉢が登場していました。炭をおこして火鉢へ運び、後はちょこちょこと火箸で炭の位置を整えたりする、ただそれだけの事だったのですが、その体験の記憶は何故か鮮明に残っています。この火鉢、ストーブとはひと味違う暖かさですし、見ているだけでもなんとなく暖かくなってくるから不思議です。たき火なんかも同じですが、子どもたちのいる中に火を置くわけなので扱いには十分に気をつけなければいけません。だからといって火を使うことを避けるのではなく、火の怖さや扱い方を丁寧に教え、同時に火の便利さも伝え、それを体験する中で学んでいくことも大事だと思っています。

この火鉢の使い方ですが、単に暖まるだけではありません。今年はまだやっていないのですが、もちつき会でついたお餅を焼いてみたり、スルメを焼いてみたりといろいろ活躍してもらう予定です。そのときにお餅がだんだん膨らんでいく様子をながめたり、スルメの焼けるいいにおいを十分にかいだりと、そんな楽しさをしっかり味わってもらおうと考えています。また、ここで使っている炭は地元の方が作っている炭で、叩くと「カンカン」ときれいな音がしますし、燃えるときには「パチパチ、キンキン」と高い音が出ます。その音を静かに聞いている子どももいて、見て、匂って、聞いて、そして暖かさを感じてと、五感をふんだんに使う場にもなっています。



5、6人で火鉢を囲んで会話を楽しんでいる姿もよく見られます。火を囲んでのんびりと楽しく話をするというのは、たき火をしているときにも見られる姿ですが、たき火よりも火鉢を囲んだときの方が互いの距離が近く、話も弾みやすいのかもしれないと思っています。五感を刺激してくれるだけでなく、子ども同士の会話も促してくれるので、火鉢がある場は子どもたちの様々な体験という意味でとても貴重な場になっていると思います。



保育園では子どもたちの成長のために、興味や関心を高め、やってみようという意欲を高めるために、様々な体験の場を用意しようといつも考えています。子ども同士の関わる体験も、とても大切なこととしてその場を保障することに努めています。こうしたことは新しい年になっても変わることはありません。もっともっと楽しい場を目指していきます。来年もよろしくお願いします。

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