2012年12月18日

「失敗」を「自信の根」に ⑥

「見守る」という言葉は誤解されやすい言葉です。「放任」などと混同されもします。ですから、私なりに「失敗」「葛藤」「試行錯誤」「意志」といったキーワードを交えながら、「信頼する」「尊重する」「待つ」などといい換えて、「見守る」の中身を述べてみました。


最後に、私事で締めるのは恐縮ですが、私の母は、私の高校の入学式で、壇上の先生が新入生の保護者に向けておっしゃった言葉を、懐かしそうに口にすることがあります。

「私たちは高校の3年間で、40歳になった時に勝負できる人間を育てます。だから、親御さんたちは、目先のことを、細かく気にしないでください。その子に勝負の根が育っているかどうかを、見てください」

母親によると、先生はそうおっしゃったようです。当の入学生だった私自身には、先生の言葉の記憶はないのですが、先生のいう「勝負の根」をそのまま「自信の根」といい換えれば、先生のこの言葉は、私がこの文章で書きたかったことを、そのまま代弁してくれているように思うのです。


その子が40歳になった時に花が咲く。そこまでの未来を見据えて、その子の中に「勝負の根」「自信の根」がしっかりと張られるように、失敗や葛藤を「見守る」。そこで育まれるものは目に見えにくいものですが、非常に重要なものだと思うのです。


《終わり》

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